署名活動の主旨
私たちは、軽井沢町庁舎改築周辺整備事業について一旦立ち止まり住民と共に再検討する場を求めます
現在、軽井沢町が進めている庁舎改築周辺整備事業(町役場+町議会+公民館の改築)は総事業費が今や124億円を超えます。事業費には積立金では足らず65億円強の地方債が発行され、全国の自治体で進む「借金減らし住民施策充実」*の流れにも逆行することになります。さらに現下の国際情勢では、建設費の高騰でこれからも事業費が大きく上振れするリスクが高まっています。人口約2万人の町にとっては、50年に一度の大事業となり、その負担は確実に住民の生活に直結します。
*日経新聞3月28日一面
私たちは、老朽化した庁舎の建て替えを否定するものではありません。しかし、現在の計画は町民一人あたりの負担額が62万円(4人家族であれば1世帯で250万円)とあまりに過大であり、将来世代に「負の遺産」を残さないための再検討が必要であると考え、事業計画の見直しを要望する署名活動を開始しました。
【私たちが懸念する問題点】
・極めて高い事業費負担:例えば人口20万人の松江市は、庁舎改築費用が164億円だそうです。近隣市町と比較しても、人口一人当たりの事業費は突出しており、他市町の数倍に達しています。軽井沢町は地方交付税の不交付団体で国からの助成は少なく、他市町に比べさらに住民負担感は増します。
・過大な施設とデザイン:DX推進により役場への来庁機会が減る中、吹き抜けや凝った多角形屋根を持つ複雑な設計は、建設費だけでなく将来の維持管理コスト(降雪降灰対策・警備費・光熱費等)も増大させます。
・少子高齢化への対応:2040年には高齢化率が44%を超えると予測される中、一般財源から毎年多額を出費するだけでなく何十年に及ぶ借金返済を抱えることは、行政サービスの低下を招きかねません。
【隠れたリスク】
1. 現役世代(納税者)の激減
軽井沢町は庁舎整備のために、65億5千万円の借入(30年返済)を行うとしています。町の予測では2060年には町民の2人に1人が高齢者となり、現役世代(子供含む)の割合は5割を切ります。そのため30年後には15~65歳一人あたりで毎年4万円近い返済額になります。さらにこれに一般会計からの多額な維持管理費が毎年かかってきます。社会保障費(介護や医療)が増大する一方で、庁舎の借金返済という「固定費」が30年間残り続けることは、将来の町の予算をガチガチに縛り、教育や子育て支援に回すお金を奪うことになりかねません。
2. 「返済」より怖い「修繕+維持管理費」の増大
巨大で豪華な施設ほど、15年後、30年後にはより大規模な修繕が必要になります。30年後に借金の返済がようやく終わる頃、今度は十数億円単位の「大規模改修費用」が新たに発生します。30年後に負担がゼロになるわけではないのです。しかもこの二十数年間に建設された軽井沢病院、風越のスポーツ施設、旧軽駐車場、木もれ陽の里、軽井沢小学校・中学校などの諸施設が、次々と大規模改修・更新の時期を迎え、それらの費用も優に400億円に迫ります。
3. 固定資産税に頼る財政の不透明さ
30年という長期にわたり金利や税収の変化を見通すことは困難です。65.5億円を令和9,10,11年と段階的に借り入れることから、現在の想定金利が続く保証はありません。また町の財政を支えているのは固定資産税収入ですが、今後も別荘地としての軽井沢ブランドが続くかどうか、土地の乱開発や自然災害、負動産の相続放棄問題など、不安材料は大いにあります。
私たちは、庁舎改築に反対するのではなく、以下の具体的な代替案によって事業費を大幅に削減し、住民が安心できる庁舎周辺整備事業にすることを提案します。
【私たちが提案する「見直し」】
- 中央公民館の継続利用:まずこれまで町が積み立てを行ってきたのは庁舎改築建設費のみです(2025年時点で41.3億円)。まだ十分使用可能な公民館を一部リフォームして庁舎のみ改築とすれば、借金しなくても、広く機能的な新庁舎を建設できるはずです。
公民館解体工事の費用、心配される周辺への騒音・振動被害も生じません。公民館を大幅にリノベーションする場合でも、改築工事費より十数億円以上削減できます。そして庁舎と公民館を分棟することで、災害時の補完機能、将来不用となった場合の施設規模の縮小に対応できるメリットも生まれます。
2.居住支援と住環境改善:施設整備に同じ借金をするならば、軽井沢の多くの方々が地価高騰で町内に住みにくくなっている状況を改善、ハイシーズンの渋滞や自転車事故を防ぐ道路整備、倒木被害を防ぐための高木剪定費用補助など、何をまず解決すべきなのかの優先順位を、町に住民と共に考えてもらいます。
3.DXとオンライン環境の整備:住民サービスであれば豪華なハコモノ一点を造る代わりに、町内30区の分館のWi-Fi環境を整備し、どこからでも行政の窓口サービスにアクセスできる体制を整えます 。
見直しで例えば50億円節約すれば、以下のことが可能になります!
🏠「住み続けられる町」へ:町営住宅を改修し100戸以上を増設
設備が古くなった町営住宅を健康空間へと改修し、若い世代や福祉が必要な方の居住を支援するために、町営住宅を100戸以上新設できます。
🛣️「安全な道」へ:町内の生活道路100kmを一新
道路改良は住民の22.5%が「今以上に行うべき」と望む重要課題です。
🚌「移動に困らない町」へ:無料バス十数台を20年間運行
超高齢社会において、移動手段の確保は急務です。またクルマによる通勤通学の不便も解消し、交通渋滞を招く要因も減らせます。
🎨「活気ある地域」へ:数十の自主活動に年500万円補助可能
地域活動への参加意欲は40.2%と高く、支援の充実が求められています。
今でも高齢者の割合が高く、将来さらに支え手が減少する軽井沢町にとって、町の収入を「ハコモノのデザイン」に使うか「住民の暮らし」に使うかの選択は、まさに町の命運を分ける決断と言えます 。
事業費を数十億円減額しても、使い勝手良く万人に開かれた庁舎を建てることは十分に可能です。ここで124億円を今回の建設工事に使い果たしてしまって良いのか。ぜひこの機会に皆で軽井沢町の在り方について考えてみませんか。
税金の使い途を考えるのは私たち住民の責任でもあります!私たちは、多くの方々が、たとえ多額な事業費がかかっても「軽井沢にふさわしい庁舎と交流センター」を選択されるのなら、それも一つの見識と思います。ただそれには適切な価値判断ができる場と情報が必要です。要望する「熟議の場」が、町行政を自分ごととしてとらえる機会となることを切に願います。
私たちは軽井沢町に、以下のことを要望します
- 現計画の規模および総事業費の再検討
- 30年間の財政シミュレーションの詳細公開
- 代替案(段階整備・改修案等)との第三者による比較
- 偏りのない一般住民参加による「熟議の場」の設置
この署名は批判ではなく、軽井沢の未来をより良くするための住民の声です。
町への見直し要望にご賛成の方は、ぜひ署名活動にご協力ください。
町民、別荘所有者、勤務者など、軽井沢を愛するすべての皆様のご賛同をお願いいたします。
